⑥ 動物の生体防御に関わる分子機構の解明

⑥ 動物の生体防御に関わる分子機構の解明

課題番号2013023138
研究機関名農業生物資源研究所
研究期間2011-2015
年度2013
研究問題2.農業生物に飛躍的な機能向上をもたらすための生命現象の解明と利用技術の開発
大課題(2)農作物や家畜等の生物機能の高度発揮に向けた生物間相互作用の解明と利用技術の開発
中課題⑥ 動物の生体防御に関わる分子機構の解明
大項目第2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置
中項目1.試験及び研究並びに調査
摘要1.組織特異的マクロファージは異物認識や免疫応答の誘導など重要な生体防御機能を担う細胞として注目されている。これまでに肝細 胞の混合培養系を用いて肝臓特異的マクロファージであるクッパー細胞を簡易に繰り返して回収する新しい方法を開発した。本年度は、その方法を子ブタの腎臓に適用し、約4-6週間の長期間にわたり腎臓由来マクロファージを高純度で繰り返して回収することができた。本手 法により得られたマクロファージは、ブタゲノム情報を利用した抗病性関連遺伝子の機能解析を行う上で有用な研究ツールとなる。
2.免疫シグナル伝達に重要な役割を果たすアダプター分子WASPの機能を解明するため、WASPタンパク質のN末端領域を標的とする単一ド メイン抗体(抗体の特異的結合活性に必須な抗体の重鎖あるいは軽鎖の可変部のみから成る最小単位の抗体)を細胞内で発現する遺伝子組換えマウスを作製した。単一ドメイン抗体は組換えマウスのT細胞内においてWASPのN末端に特異的に結合し、そのシグナル伝達機能を阻害した。その結果、T細胞におけるサイトカインIL-2の産生が大幅に抑制された。すなわち単一ドメイン抗体を用いて細胞内タンパク質のド メイン機能を特異的に阻害できることをモデルマウスで初めて実証できた。
3.変異速度が速く、全長解読が困難な豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスゲノムについて、北米型ウイルスで共通に利用可能な簡便なゲノム解読手法を確立した。生体防御に関わるパターン認識受容体等の遺伝子多型の解析については、ブタTLR9で細胞質内ドメイン内に機能を欠損させる多型が存在することを明らかにした。また、抗RNAウイルス活性に関与することが想定されているブタMX1について、多型により細胞内の局在が異なることを明らかにした。
4.前年度までに確立した眼刺激性試験法である「Vitrigel-EIT (eye irritancy test) 法」について、ICATM (International Collaboration on Alternative Test Methods)の協力を得て、JaCVAM (Japanese Center for the Validation of Alternative Methods)をコーディ ネーターとする国際的なバリデーション実行委員会を組織した後、日本の3施設の協力を得てプレバリデーション研究を実施した結果、Vitrigel-EIT法の技術移転は容易であることが確認できた。また、従来の試験法によるGHS分類では非刺激性と判定されるが、Vitrigel-EIT 法では刺激性と判定される化学物質が、免疫組織学的な検討でタイトジャンクションの破壊や細胞層表層のMUC1の消失を誘導していたことから、Vitrigel-EIT法は従来法では検出できない非常に弱い刺激性を検出できることが明らかとなった。
研究分担木谷 裕
竹澤 俊明
竹之内 敬人
佐藤 充
新開 浩樹
協力分担関係関東化学株式会社
国立医薬品食品衛生研究所
予算区分技会交付金研究 委託プロ[新需要創出プロ] 委託プロ[次世代ゲノム基盤プロ] 文科省[科研費] 文科省・JST競争的資金
業績(1)新しい香粧品基材:マグロ原皮由来ゼラチンビトリゲル膜
(2)Epithelial-to-mesenchymal transition and slit function of mesothelial cells are regulated by the crosstalk between mesothelial cells and endothelial cells
(3)Regenerative process of tracheal epithelium using a collagen vitrigel sponge scaffold
(4)Prion replication elicits cytopathic changes in differentiated neurosphere cultures
(5)Single domain intrabodies against WASP inhibit TCR-induced immune responses in transgenic mice T cells
(6)A single nucleotide polymorphism of porcine MX2 gene provides antiviral activity against vesicular stomatitis virus
(7)Vitrigel-eye irritancy test method using HCE-T cells
(8)HPCD子豚へのSalmonella enterica serovar Choleraesuis実験感染;病態の再現とTLR5−塩基多型(C1205T)の影響検証の試み
(9)FK506 reduces abnormal prion protein through the activation of autolysosomal degradation and prolongs survival in prion-infected mice
(10)Characterization of the liver-macrophages isolated from a mixed primary culture of neonatal swine hepatocytes
(11)Molecular characterization and expression of porcine Siglec-5
(12)Purinergic signaling via P2X7 receptor mediates IL-1β production in Kupffer cells exposed to silica nanoparticle
(13)Production of scFv-conjugated affinity silk film and its application to a novel enzyme-linked immunosorbent assay
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030203665
収録データベース研究課題データベース

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