気象変動を克服する高度耐冷・高温耐性・良質安定多収品種の開発

気象変動を克服する高度耐冷・高温耐性・良質安定多収品種の開発

県名宮城県
研究機関名宮城県古川農業試験場
課題種別試験研究課題
研究期間完H21〜25
年度2013
概要<目的>
、食糧の安定供給のためには,環境変化への耐性やいもち病抵抗性に優れた水稲多収品種の開発が急務であり,平成5年,15年の冷害や平成11年,12年の高温障害の発生等気象変動が大きい中,これらを克服し高品質極良食味米を安定生産できる品種を早急に開発する。 <成果>
、 耐冷性: 高度耐冷性系統と実用品種・系統の交配後代から耐冷性極強(11)を有し,ひとめぼれ並の極良食味の3系統(東1467,東1524,東1527)を選抜し,それぞれ古川耐冷中母番号108〜110を付した。単独系統からは6組合せ5系統,雑種集団からは4組合せ218個体の有望な系統・個体を選抜した。超耐冷性系統の交配後代である東北189号*2/09CV19のB1F3について,単独系統:47系統から,草姿,収量性, 品質に注目し2系統を選抜した。同様に,東北200号*2/09CV19のB1F2について,耐冷性検定圃場18.0℃区:400個体から,稈長90cm以下かつ不稔歩合30%以下の15個体を選抜した。また,高度耐冷性系統の特性調査から,東北207号,古川耐冷中母107は,耐冷極強(11)を有し,稈長がひとめぼれ並に短く,穂発芽発生もひとめぼれ並に少なく,玄米品質がひとめぼれに優るため,高度耐冷実用系統育成の母本として,他の中間母本系統より有望であると考えられた。
、 高温耐性:全供試系統の出穂後20日間の処理温度の平均値は,平均気温28.1℃,最高気温32.2℃,最低気温24.7℃となった。ガラス室の温度管理装置が故障していたため,登熟期間を通じて2012年の高温耐性検定時より低温となった。全般に白未熟粒の発生が多く,とくに乳白粒及び基白粒の発生程度については供試系統間に明瞭な差が認められた。機器測定結果及び達観調査結果を総合的に判断し,「東北192号」及び「東北206号」はそれぞれ「強」及び「やや強」と判定された。育成系統の中で「強」及び「やや強」と判定された「東1463」(東1159/東1178)及び「東1499」(北海302号/やまのしずく)は生産力検定及び特性検定結果もふまえ有望と判断し,それぞれに「東北214号」及び「東北213号」の系統番号をつけた。また,「やや強」と判定された「東1450」(東北194号/東北195号)及び「東1497」(東北192号/青系IL2号)は来年度も収量調査及び各種特性調査を継続することとした。また6株法による早期選抜の検討を行うため,12株法及び6株法における基準品種の高温耐性を,機器測定結果及び達観調査結果から総合的に判断した結果,「越路早生」,「こころまち」,「ササニシキ」及び「コシヒカリ」を除く11品種では両方法で類似した判定が得られた。一方「越路早生」及び「ササニシキ」では,12株法よりも6株法において高温耐性が弱いと判定され,「こころまち」及び「コシヒカリ」は12株法より6株法において高温耐性が強いと判定された。今年度の12株法及び6株法において基準品種15品種中11品種が類似した判定を得たことから,6株法による高温耐性試験は可能であると考えられた。しかし,4品種においては,総合判定で2ランク以上の差が生じた事から,今後,早期世代の検定に6株法を利用しながら,検定方法の改善を図る必要がある。さらに,6株法における基準品種15品種のうち,12株法の判定と大きく異なる判定が示された4品種を除いて生産力予備検定供試系統(F6,A3)39系統を高温耐性試験に供試した。39系統のうち,総合で30系統が「強」あるいは「やや強」と判定された。今年度の高温耐性試験の結果は,生産力予備検定試験及び各種特性検定試験の結果と併せて,来年度栽培する系統の選抜に利用する。 
研究分担作物育種部
予算区分県単
業績(1)イネ高度耐冷性系統の第4,6,9染色体上に見出された穂ばらみ期耐冷性に関するQTL
(2)外来遺伝資源を用いたイネ穂ばらみ期耐冷性に関するゲノム育種
(3)Identification of the chromosomal region responsible for high-temperature stress tolerance during the grain-filling period in rice
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030205127
収録データベース研究課題データベース

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