高商品性ブドウ・カキ品種の育成と省力生産技術の開発

高商品性ブドウ・カキ品種の育成と省力生産技術の開発

課題番号2014025551
研究機関名農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間2011-2015
年度2014
研究問題②果樹・茶の持続的高品質安定生産技術の開発
大課題高商品性ブドウ・カキ品種の育成と省力生産技術の開発
中課題高商品性ブドウ・カキ品種の育成と省力生産技術の開発
大項目食料安定供給のための研究開発
中項目(4) 園芸作物の高収益安定生産システムの開発 
摘要結実性・日持ち性が良い良食味完全甘ガキ品種の育成に関しては、
a) カキの主産県等で実施した試作試験にもとづき、結実性・日持ち性が良く外観が優れる早生の完全甘ガキ「安芸津22号」、大果で日持ち性が良く中生の完全甘ガキ「安芸津24号」を品種登録出願候補とした。
b) 良食味で結実性・日持ち性が良好な晩生の完全甘ガキ新品種「太豊」を品種登録出願した。
c) 686個体の実生について一次調査を行い、566個体を淘汰した。また、中国の完全甘ガキ「羅田甜柿」又は「甜宝蓋」に由来する20個体を調査し、16個体を淘汰した。
d) 完全甘ガキ間の交配、非完全甘ガキを用いた交配及び中国の完全甘ガキを用いた交配によって、合計3,834粒の交雑種子を獲得した。
e) 前年度に獲得した交雑実生715個体から完全甘ガキ259個体を選抜した。また、非完全甘ガキ型の遺伝子を一つだけ持つ系統を用いた交配を行い、約1,100粒の交雑種子を獲得した。さらに、これまでにマーカー選抜した完全甘ガキ個体群から3系統を次期系統適応性検定試験供試系統の候補として選抜した。
カキわい性台木の選抜に関しては、
a) 変則主幹形で慣行栽培管理したわい性台木(「S22」、「No.3」、「SH11」)を利用した「富有」は、通常利用される「アオガキ」実生を台木として利用した場合と比較して、いずれも樹冠容積が約1/2となり、1樹当たりの主要年間作業時間は約30~45%短縮されることを明らかにした。
b) わい性台木利用樹における果実品質と収量は共台利用樹と同等であったが、主幹断面積及び樹冠容積当たりの収量はわい性台木「SH11」利用樹で高かったことから、収量ベースの主要年間作業時間は、「SH11」を利用することで共台利用樹よりも20%短縮できることを明らかにした。
c) わい性台木「SH11」の品種登録出願に向けて、形質の均質性、安定性及び区別性を確認した。
ブドウの系統評価及び新たな交雑種子の獲得、交雑実生の特性調査に関しては、
a) 「安芸津30号」の着花安定にはホルクロルフェニュロン処理が有効であることを明らかにした。
b) 短梢せん定が「安芸津28号、「安芸津29号」及び「安芸津30号」の花芽着生率及び花穂の生育特性に及ぼす影響を明らかにした。
c) 四倍体8組合せ、二倍体12組合せの交配を行い、四倍体からの組合せからは249粒、二倍体の組合せからは3,388粒の交雑種子を獲得した。
d) 交雑実生の果実特性を評価し、775個体を淘汰し、32個体を注目と判定した。
e) ブドウ黒とう病抵抗性の簡易検定法を開発するため、幼苗での検定結果と殺菌剤無散布圃場での耐病性評価の結果を比較し、両者の間に有意な正の相関を見出した。また、本病に対する量的抵抗性を有する品種は、欧米雑種だけでなく欧州ブドウ品種にも存在することを明らかにした。
f) ブドウべと病の優性罹病性遺伝子と葉裏の毛じ量を大きく減少させる優性の遺伝子は強く連鎖していることを明らかにした。
g) 二倍体欧米雑種ブドウの果皮アントシアニン含有量に関連する遺伝子座は、既知のMYB遺伝子座以外に2つ存在する可能性が高いことを明らかにした。
h) ブドウ果皮のアントシアニン組成に関わる主要なQTL領域を明らかにした。
このほか、
a) カキ「平核無」では、満開期にジベレリンの水溶液を枝葉散布することで翌年の花芽数を半減できるが、果実肥大が抑制されることを明らかにした。
b) カキ「太天」を一定温度、炭酸ガス95%以上の密閉条件に置く手法(CTSD法)で脱渋する場合、前処理26℃、炭酸ガス処理26℃、26℃後加温6日間処理とすることにより酸味を残すことなく脱渋できることを明らかにした。
c) カキ「太天」及び「太月」は、粉末アルコール資材を果実表面に貼り付けることで樹上脱渋できることを明らかにした。
d) ブドウ「シャインマスカット」の自発休眠期における-3℃処理はシアナミド剤と同等の発芽促進効果を有すること、及び自発休眠覚醒期の6℃遭遇期間が長いほど加温後の発芽所要日数が短くなることを明らかにした。
e) ブドウ「ピオーネ」果皮のアントシアニン含量は、年次変動はあるものの青色LED光の夜間照射によって増加することを明らかにした。
f) γ線急照射によってブドウ「シャインマスカット」の着色変異体を獲得するため、γ線の照射条件を検討した結果、20時間急照射で50%が生存する線量は40Gy未満であることを明らかにした。
研究分担薬師寺博
協力分担関係京都大学
近畿大学
Institute of Agricultural Genetics
Vietnam
東京大
農業生物資源研究所
岩手大学農学部
島根県農業技術センター
第一包装株式会社
予算区分技会交付金研究 攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業 SIP(次世代農林水産業) 農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業 委託プロ・バリューチェーン[次世代ゲノム] 委託プロ[国際連携による気候変動プロ] 食料生産地域再生のための先端技術展開事業 技会・その他 文科省[科研費] その他
業績(1)Application of marker-assisted selection in persimmon breeding of PCNA offspring using SCAR markers among the population from the cross between non-PCNA ‘Taigetsu’ and PCNA ‘Kanshu’
(2)MYB diplotypes at the color locus affect the ratios of tri/di-hydroxylated and methylated/non-methylated anthocyanins in grape berry skin
(3)Coordinate induction of anthocyanin biosynthetic pathway genes by VvMYBAs
(4)太豊
(5)良食味で結実性が良好な晩生の完全甘ガキ新品種「太豊(たいほう)」
(6)The interaction of Elsinoe ampelina with Vitis vinifera
(7)Exploring quantitative trait loci for anthocyanin content in interspecific hybrid grape (Vitis labruscana x Vitis vinifera)
(8)Tetraploid table grape breeding in Japan
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030217102
収録データベース研究課題データベース

研究課題アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat