(ア)沿岸域における資源の造成と合理的な利用技術の開発

(ア)沿岸域における資源の造成と合理的な利用技術の開発

課題番号2015027939
研究機関名水産総合研究センター
研究期間2011-2015
年度2015
研究問題(2)研究開発等の重点的推進
大課題イ.沿岸漁業の振興のための水産資源の積極的な造成と合理的利用並びに漁場環境の保全技術の開発
中課題(ア)沿岸域における資源の造成と合理的な利用技術の開発
大項目第2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置
中項目1 研究開発等
摘要・沿岸域の主要水産資源の変動要因の解明と最適な漁業管理方策の開発のため、日本海のヒラメでは、餌となるアミ類が 多く、稚魚密度が低い場所に放流すると良好な成長と漁獲加入を見込めることを解明した。サワラ瀬戸内海系群では、資源回復計画の効果を平成26 年の資源量(約5,400 トン)で算定した結果、0 歳魚の漁獲圧低減と人工種苗放流の組み合わせにより資源は約4,300 トン増加すると試算された。アワビでは全国的な漁獲量の減少要因を過剰漁獲による親貝密度の減少に起因する再生産の不調、温暖化による磯焼け、環境変化による稚貝の減少等の負のスパイラルとして整理し、資源回復のための管理方策として、資源評価に基づいた漁獲管理、親貝資源の造成、藻場 造成等の漁場管理を組み合わせた再生産量の必要性を提言した。種苗放流においては遺伝的多様性 への配慮が必要なこと、また、アワビの生態的知見に基づいた種苗生産技術の改良についても提言した。これらより「アワビ類資源管理・増殖に向けた方策」をとりまとめた。ニシンでは、昆布森、厚岸、浜中に放流された人工種苗は厚岸湾・湖へ産卵回帰し、単一集団を形成し、また、発育に伴い成育場を変えることを解明した。
・種苗生産・放流技術については、ヒラメでは水槽内に餌生物シオミズツボワムシの栄養強化剤(DHA)を少量ずつ添加する飼育法を 開発して、飼育マニュアルを作成するとともに、シオミズツボワムシの培養コストを32%低減させることができた。
・資源造成目標の達成に必要な資源添加について、トラフグでは瀬戸内海中央部に放流された人工種苗の9 割以上が0~1 歳時に漁獲 されること、また、その9 割以上が瀬戸内海で漁獲されることを明らかにした。この知見と過去の放流魚の生き残りに関する知見より、放流に適する場所に170 万尾の種苗を放流することによって資源の減少を回避できること、さらに、0~1 歳魚の漁獲圧を減少する ことにより資源回復が見込めることを明らかにした。
・資源の合理的利用による沿岸漁業振興の実証のため、トラフグの価格形成を基に資源の持続的利用を前提とした所得増大のための資源経済モデルを構築し、東海3 県のふぐはえ縄漁業の漁業経営改善案を提示した。また、定置網経営における少量漁獲種の利用等による経営改善方策について、漁家レストラン等の6 次産業化への取組について収支面から検証した結果、定置網漁獲鮮魚の購入先として重要な食料品店への直接販売や店内へのインショップの併設が有効と示唆された。
・ニシンの生態調査の成果は刺網漁業者の産卵親魚保護を目的とする自主規制に活用され、また、瀬戸内海におけるトラフグとサワラの種苗放流と漁獲規制措置による資源量予測は資源管理に活用されている。本研究課題の成果は、沿岸域における資源の造成と合理的な利用技術の開発、並びに地域水産業界の収益の最大化等に繋がると期待される。
協力分担関係香川県水産試験場
香川県漁業振興基金
香川県栽培漁業協会
香川大学
大分県農林水産研究センター水産試験場
東 京大学大気海洋研究所
京都大学
沖縄県水産海洋技術センター
佐賀県玄海水産振興センター
熊本県水産研究センター
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030226550
収録データベース研究課題データベース

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