気候区分に対応した用途別高品質・安定多収小麦品種の育成

気候区分に対応した用途別高品質・安定多収小麦品種の育成

課題番号2015027771
研究機関名農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間2011-2015
年度2015
研究問題②土地利用型耕種農業を支える先導的品種育成と基盤的技術の開発
大課題気候区分に対応した用途別高品質・安定多収小麦品種の育成
中課題気候区分に対応した用途別高品質・安定多収小麦品種の育成
大項目食料安定供給のための研究開発
中項目(1) 地域の条件・資源を活かした高生産性水田・畑輪作システムの確立
摘要パン用等の有望系統・品種の栽培性と用途別の品質評価に関しては、
a) 九州研・近農研・作物研で共同育成を行ってきた秋播型パン用系統「農研小麦1号」は、熊本県において実需者による製パン試験の結果が良好で、平成28年度品種登録を検討し、一般農家試作において工場製粉レベルの実需者評価を受ける予定である。
b) 長崎県において有望視される多収で軟質めん用コムギ系統「西海197号」の工場製粉レベルでの実需者評価を行うため、権利確保のために品種登録出願した。長崎県諫早市の一般農家圃場において大規模試作(7ha)を開始した。
c) 平成28年度に品種登録の検討をするために、白粒硬質品種「タマイズミ」にコムギ縞萎縮病抵抗性と穂発芽耐性遺伝子を導入した 「関東140号」及び「関東141号」を新配付系統とした。
DNAマーカー等を利用した製パン適性や縞萎縮病抵抗性に優れた系統の選抜状況に関しては、
a) 胚乳中のアミロース含量に関わるWx遺伝子、グルテン物性に関わるグルテニン遺伝子、高タンパク化に関係するGpc-B1、穂発芽性 に関係するMFT、縞萎縮病抵抗性に関わるYmIbなどDNAマーカーによる個体・系統選抜を実施した。
b) 種子休眠性に関与するTaABA8’OH1遺伝子の欠失変異について集積し、種子休眠性が優れる系統を開発した。
c) コムギのゲノムワイド解析のためのコアマーカーセットを選定した。粉色に関して、ゲノムワイドQTL解析により多数の遺伝要因を同定した。
d) 生地の色相悪化に関連するPPO遺伝子型を解析し、その1つが縞萎縮病抵抗性と連鎖していることを明らかにした。
新規用途向き品種とその利用技術に関しては、
a) コムギの3ゲノム由来の顆粒結合型澱粉合成酵素(GBSSI-A1,B1,D1)と可溶性澱粉合成酵素(SSIIa A1,B1,D1)のうち、両酵素ともB1、D1を欠く変異体が、老化耐性の高い澱粉を有し、製パンにおいて利用価値が高いことを明らかにした。
b) 極低アミロースの「関東122号」が冷凍うどん適性をもつ可能性があること、「中国164号」がパンや中華麺で従来にない粘りやも ちもちとした食感を活用した製品開発の可能性があることを示した。
c) 変異型のWx遺伝子の組合せにより、コムギのアミロース含量を段階的に低減できることを明らかにした。
d) 実需者と共同で開発した「ゆめちから」グルテンが実用化され、ソーセージ、中華麺への添加では市販グルテン(外麦原料)より も破断強度が強くなる特性を発揮し、食感改良に使用できることを確認した。また、市販グルテンに比べてアルデヒド臭が弱いことから、風味の改善が期待できる。
e) 通常アミロースタイプ超強力系統「北海265号」の生パスタ麺の物性が優れていたことから、複数の実需者に加工試験を依頼し、比較的良好な加工適性であると評価を受けた。
このほか、
a) 社会的要請等対応研究「小麦の収量限界向上に向けた基盤的研究」において、北農研で「きたほなみ」の起生期(分げつ肥)重点 施肥区で最高収量1.4トン/10a、作物研で育成系統の後期重点追肥(6-8-8 Nkg/10a)で最高収量1.0トン/10aを超え、九州研で後期重 点追肥栽培の収量が0.8トン/10a(生産力検定試験対比150%程度)と、日本コムギ品種の収量性の高いポテンシャルを確認した。
b) 日本製粉との共同研究をもとに、日本初のデュラムコムギ品種として「中国D166号」を限定普及として品種登録出願した。
協力分担関係日本製粉
長田産業
東京都立食品技術センター
北見農試
長野農試
東京大
京都大
岡山大
ホクレン農総研
奥野製 薬工業
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030226581
収録データベース研究課題データベース

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