新需要創出のための生物機能の解明とその利用技術の開発

新需要創出のための生物機能の解明とその利用技術の開発

課題番号2015027874
研究機関名農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間2011-2015
年度2015
研究問題(3) 農産物・食品の高度な加工・流通プロセスの開発
大課題新需要創出のための生物機能の解明とその利用技術の開発
中課題新需要創出のための生物機能の解明とその利用技術の開発
大項目新需要創出のための研究開発
中項目(3) 農産物・食品の高度な加工・流通プロセスの開発
摘要生物機能探索のための解析・評価技術の開発と多様な生命現象の解明に関しては、
a) 受容体機能を活用し、生体内で活性を有する生理的に意義のある酸化LDLを検出する汎用性の高い技術の開発に成功した。さらに、その技術を活かして迅速簡便検出を実現するキットを試作した。
b) 光反応性基板上に合成した糖鎖を光照射により共有結合で固定化することに成功した。この基板を用いてレクチンとの反応性を検 討したところ、固定化した糖鎖の選択的な識別が可能であることを確認した。
c) クロマトグラフィーと溶液X線散乱測定法を組み合わせた溶液X線散乱クロマトグラフィー法において、これまで使用していたゲル 濾過に加えて、イオン交換法に適用範囲を拡張した場合でも散乱データの取得が可能であることを示した。
d) 納豆菌における異種タンパク質発現と宿主の溶菌を同時に行える系の開発を目的とし、納豆菌バクテリオファージのpghP遺伝子周 辺を改変した簡易ベクターを構築した。さらに、発現宿主の納豆菌に関して、遺伝的不安定性の原因となる挿入配列を持たない菌株を得た。
e) リンゴ果丙の離層形成に関与すると考えられる遺伝子を同定した。また、高効率なゲノム編集技術として注目されているCRISPR/Cas9システムを活用し、トマトの成熟制御転写因子RINをコードする遺伝子の変異体の作出に成功し、トマトにおける本ゲノム編集技術 の国内初の成功例となった。
f) ゲノム重複を活用した微生物育種法に関しては、アンピシリンによる選択圧により、acrAB領域のゲノム重複を介して大腸菌が多剤耐性化することを明らかにした。
微生物の代謝機構解明を通じた発酵食品の開発と新規食品素材の製造技術の開発に関しては、
a) ATP再生系を活用したオリゴ糖製造技術を確立し、4種のオリゴ糖を100g単位で調製した。また、ビフィズス菌を用いたラクト-N-ビオース調製技術について、夾雑酵素を選択的に失活させる技術を開発し、本オリゴ糖の収率を改善した。
b) デキストラングルカナーゼと、メガロ糖生産に適するように開発した変異型の環状イソマルトオリゴ糖グルカノトランスフェラー ゼを用いて、デンプンから環状イソマルトオリゴ糖(重合度7~9)・メガロ糖(重合度10以上)を生産することにより、環状イソマルトメガロ糖の割合を野生型酵素使用の場合より約3倍に増加させることに成功した。
c) エタノール発酵液からエタノールを回収後、発酵残渣を除去し、そこに、L-アラビノースからキシリトールの生産を可能にした組 換え大腸菌を添加して培養したところ、残存L-アラビノースに対して収率90%でキシリトールを生産することに成功した。
d) 発酵食品の呈味性に関わると考えられる新規麹菌アミノペプチダーゼ群の特性、旨味成分イノシン酸の分解に関わる麹菌酸性ホス ファターゼ遺伝子群の発現様式をそれぞれ解明した。さらには、本菌によるプロテアーゼ生産が可視光によって制御されていることを明らかにした。
e) 放線菌の生産するモデル二次代謝化合物として数多く研究されてきた「アクチノロージン」について、その生合成経路を解明する ことに成功した。
f) 酵母の生育を促進する乳酸菌がγ‐アミノ酪酸を生産することでpHの低下を抑えていることを解明するとともに、出芽酵母のγ‐ アミノ酪酸資化能欠損変異株における尿素の取込低下、アンモニアの取込向上を明らかにした。
g) 乳酸菌の一種Lactobacillus brevisがキシランやムチン、ペクチンやDNAなどの高分子、グルコースやスクロースなどの単糖、二糖の添加により凝集が生じることを明らかにした。
h) 酢酸菌の新規スターター株候補を取得し、実際の酢醸造条件下での香気・臭気成分の生産を分析した結果、この株を用いて醸造し た黒酢の商品化が可能であることを確認した。
i) 野菜ジュースの乳酸菌発酵物及び発酵工程中のパン生地を対象として核磁気共鳴法を利用したメタボローム解析を実施して、取得 したデータセットについて主成分分析を行うことにより、発酵の進行に伴う食品成分プロファイルの変化を確認し、それに相関のある成分の特定に成功した。
j) 発酵食品データベースのウェブ版システム開発のための詳細設計を行うとともに、データベース構造に関する問題点を解決した。 さらには、本データベースに食文化に関係する情報を追加した。
協力分担関係北海道大学
新潟大学
東京大学
武蔵野大学
名古屋大学
京都大学
龍谷大学
大阪大学
大阪府立大学
広島大学
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030226684
収録データベース研究課題データベース

研究課題アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat