(3)養殖業の発展のための研究開発

(3)養殖業の発展のための研究開発

課題番号2016029373
研究機関名水産総合研究センター
研究期間2016-2020
年度2016
研究問題水産業の健全な発展と安全な水産物の安定供給のための研究開発
大課題水産業の健全な発展と安全な水産物の安定供給のための研究開発
中課題(3)養殖業の発展のための研究開発
大項目第1 研究開発の成果の最大化その他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置
中項目2.研究開発業務
摘要・大型陸上水槽を用いてクロマグロ成熟を環境制御する研究開発を実施した。その結果、水温・光条件の制御により一部の個体で成熟の進行は確認できたが早期産卵には至らなかった。ふ化仔魚代替飼料の開発により、生餌給餌量削減の再現性を確認した。
・水産庁漁業調査船による外洋調査によりニホンウナギのレプトセファルスの採集に成功するとともに、その分布層から大量に採水し懸濁粒子を採集した。外洋での仔魚の生態情報から人工飼料や給餌方法を検討した。ウナギ仔魚への給餌を水槽底面で行う現飼育法では給餌面積が生産尾数の制限要因の一つとなっており、給餌面積が飼育水槽容積に比例して拡大せず、また、容積拡大が仔魚のさらなる蝟集を招き、給餌効率を悪化させることが明らかとなった。
・ニホンウナギの人為催熟技術では、ウナギ組換えホルモンの利用により、雄親魚における精子活性の同調や向上だけでなく、雌親魚の誘発採卵数や人工授精成功率の向上が見られた。2種類のサメ卵代替飼料を試作しシラスウナギまでの飼育を行った結果、いずれの飼料でもサメ卵飼料よりも優れた成長、生残を示した。大型水槽での長期飼育試験を実施し、シラスウナギを千尾以上生産した。大型水槽では給餌後3~4分で飼料不足となる部分が発生することから、給餌量を増加させることで飼育成績を向上できる可能性が示唆された。
・高水温選抜に共生細菌を活用することにより、高水温耐性を有するノリ育種素材の開発が効率化した。
・選抜されたブリハダムシ抵抗性3家系から親魚候補を選別した。カンパチでは、ハダムシ感受性2家系と抵抗性3家系の解析家系を作出した。
・超低魚粉飼料で選抜したニジマスF1稚魚で、成長や飼料効率に優れた効果が確認された。
・レンサ球菌症抵抗性ヒラメの実証用種苗を生産した。
・海産養殖魚の不妊化条件として、高温処理35度、20分間処理区が最も三倍体化率が高いことを確認した。
・シロザケレッドマウス病の国内株は、シロザケの生息最適水温でも病原性を示すこと、原因菌の遺伝的性状及び国内の浸潤状況を明らかにした。アクアレオウイルスの検出法開発では、親魚血清の抗体検査法やヒラメ由来HINAE 細胞を用いた分離培養法を開発し、垂直感染が主要な感染経路であること、及び、ウイルスの消毒条件を明らかにした。
・増養殖種苗等の病原体モニタリングでは、北海道10河川のサクラマスやサケ等739 個体、これ以外の増養殖対象種1360個体を検査した。
・細菌性溶血性黄疸ワクチン株を選定し、原因菌の平板培養法を確立した。
・既存の報告を基にウイルス病のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による診断法をまとめ機構のホームページに公開した。
・国際獣疫事務局(OIE)リファレンスラボラトリー活動としてはISO17025 の体制を維持するとともに、2機関から2名の研修生を受け入れ、4カ国に陽性対照DNAまたはウイルス株を分与し、2機関に対してマダイイリドウイルス(RSIV)あるいはコイヘルペスウイルス(KHV)のPCR 検査に関するリングテストを行った。
・ブリ等の仔稚魚に長期的に低魚粉飼料を給餌した場合の栄養状態や消化吸収動態への影響を把握し、消化酵素活性の消失が成長遅滞の原因となっている可能性が示唆された。低品質魚粉は明らかな摂餌不良を引き起こすため、魚粉の品質基準策定の必要性が示された。
・魚類養殖場周辺の環境調査を行い、1980年代後半と比較して窒素・リンの濃度が減少し、低層水DO濃度が上昇していることを明らかにした。冬期にマダイ養殖場から発生する窒素は速やかに一次生産に消費され、リンは数百メートル程度流される傾向が見られた。
・新規増養殖対象種として、マダコ、サツキマス等の種苗生産、養成手法等の開発に取り組んだ。マダコでは、幼生飼育装置の改善と天然ゾエア幼生の給餌によって、ふ化後20日の生残率は3.3倍、成長は2.9倍向上した。
・スジアラでは、優良親魚の選別、飼育環境や給餌法の改善に取り組み、種苗生産での平均生残率が16.3%から24%に向上し、世界初のスジアラ完全養殖を達成した。
・タイラギでは、海水温15℃より生殖巣が肥大し始めることを明らかにし、培養藻類を餌料として用いることにより、市販藻類を使用した場合に比べ餌料費を6割削減することができた。弱刺激の産卵誘発法を開発したことにより、親貝の生残率が改善され、大量の採卵を可能にした。
・飼料関係で2件、育種関係で1件の特許申請を行い、疾病関係では開発した技術をブロック推進会議傘下の研究会等で都道府県に紹介した。また、魚病診断法の研修を行うほか、特定疾病マニュアルをホームページで公開するなど、成果の普及に努めた。行政機関とも密接に連携し、得られた成果の受け渡しを着実に行った。増養殖関係では、養殖マニュアルの作成や種苗生産・養殖技術の指導講習、新聞への掲載等社会への情報提供、現地実証試験等を活発に実施した。
協力分担関係学校法人北里研究所
三重大学
東京大学
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030235990
収録データベース研究課題データベース

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