(2)気候変動を考慮した漁場の形成や資源の変動に関する情報を的確に提供するための研究開発

(2)気候変動を考慮した漁場の形成や資源の変動に関する情報を的確に提供するための研究開発

課題番号2017030024
研究機関名水産総合研究センター
研究期間2016-2020
年度2017
研究問題水産資源の持続的な利用のための研究開発
大課題水産資源の持続的な利用のための研究開発
中課題(2)気候変動を考慮した漁場の形成や資源の変動に関する情報を的確に提供するための研究開発
大項目第1 研究開発の成果の最大化その他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置
中項目2.研究開発業務
摘要・東北海域において、沖合域A-lineにおける過去10年間の動物プランクトンデータを解析した。その結果、近年、親潮勢力が弱勢化していたにも拘らず、5月の混合域群集のカイアシ類の増加は見られなかった。また、7月のオキアミ類の現存量は、2012年以前と比べ、2013年以降に少ない傾向が見られた。
・1970年以降の水温、塩分データについて、2016年度に作成した整理・解析プログラムを用いて処理し、統計的手法と過去の文献値を用いたTSダイヤグラムから、東北海域における、親潮系冷水、親潮系混合水、混合水、津軽暖流、黒潮系混合水、黒潮系暖水の水塊区分を定義付けることが可能であることを確認した。
・黒潮・親潮海域におけるマイワシ、マサバ、サンマ漁業、東シナ海におけるカタクチイワシ資源とシラス漁業、日本海におけるスルメイカの漁場・成長等への温暖化影響評価を実施した。サンマは、最も温暖化が加速する高位参照シナリオ(RCP8.5)の条件下では、大型魚の三陸への来遊量が減少し、来遊時期は遅くなることが予測された。マイワシは北上が2~4旬早くなり、南下が2~4旬遅くなることが予測された。マサバの北上もマイワシ同様、2~4旬早くなり、南下は2~4旬遅くなることが予測された。日本海のスルメイカは、漁期の早期化と漁場の北偏が起き、我が国EEZ内漁場は北に偏り、我が国EEZ内に留まる期間が短期化することが予測された。スルメイカの成長は、温暖化に伴いやや促進され、大型化する試算結果となった。東シナ海からの鹿児島県沖へのカタクチイワシのシラス加入量予測を行ったところ、加入時期は早期化し、加入量は減少することが予測された。
・野島崎以西の黒潮流路予測に関しては、人工衛星の海面高度データを利用した予測手法を、一般化線形法からニューラルネットワークへ変更することにより、都井岬沖の黒潮離岸距離の予測精度を向上させた。
・漁海況長期予報を予定どおり公表した。資源が減少しているスルメイカについて、太平洋の9月中を対象とした中短期予報を実施し公表した。
・平成29年に発生した黒潮大蛇行に関連して、情報発信の改善等に役立てるために漁海況予報の便益性について関係各県へのアンケートを実施し、結果をとりまとめた。
・太平洋沿岸域カツオ春漁を対象とした予報の精度向上に取り組み、予報年の前年1~3月の亜熱帯海域(15°N~20°N、125°E~140°E)の表面水温24℃の水域面積(産卵域)、予報年の前年10月の同海域の水温(生息水温)から予報当年漁期前の資源量指数(CPUE)を予測し、予報海域のカツオ春漁来遊量予測を行った。今後も予測手法の精度向上を目指す。
・水塊構造を解析するプログラムにより整備したデータベースの解析が進み、各県が行う沿岸域での海況変動と漁況の関係の解析・知見の蓄積が加速した。成果は研究会等で報告されるとともに、各県における漁海況情報の説明資料として活用された。さらに地球温暖化対策に関する研究課題に関しては黒潮生態系に関する書籍を世界の第一線で活躍する研究者とともにAGU Geophysical Monographから出版予定である。温暖化影響評価の成果は、国や地方公共団体が策定する気候変動適応計画への資料として活用される他、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)等の気候変動影響評価に係る報告書に引用されることで、国際的な気候変動の影響対策への取り組みにも貢献する。平成29年度に初めて行った企画として、9月中を対象とした太平洋スルメイカの中短期予報を、平成29年8月31日に公表した。また、改善した黒潮流路予測手法を漁海況長期予報に取り込みプレスリリースを行った。
協力分担関係東京大学
愛媛大学
漁業情報サービスセンター
愛媛県農林水産研究所
東京海洋大学
北海道大学
長崎大学
鹿児島大学
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030244453
収録データベース研究課題データベース

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