高品質・健全性確保のための農産物の効率的な先進加工技術の開発

高品質・健全性確保のための農産物の効率的な先進加工技術の開発

課題番号2017029980
研究機関名農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間2016-2020
年度2017
研究問題地域の雇用・所得の増大に資する6次産業化関連技術の開発
大課題(12)食品の栄養・健康機能性利用技術及び次世代加工・流通技術の開発
中課題高品質・健全性確保のための農産物の効率的な先進加工技術の開発
大項目(1) 農業・農村の所得増大等に向けて、生産現場が直面する課題を速やかに解決するための研究開発
中項目(1) 農業・農村の所得増大等に向けて、生産現場が直面する課題を速やかに解決するための研究開発
摘要国産農産物の付加価値向上と利用率向上のため、発酵食品生産技術の高度化と先導的な微生物・酵素・生体機能の利用技術開発及び工学的手法を活用した先端加工技術開発を目的とし、以下の成果を得た。麹菌やカビに代表される糸状菌は発酵食品生産に好悪両面で大きな影響を与えるため、その代謝産物産生機構を調べた。アフラトキシン産生Aspergillus属菌では青色領域の波長を含む光照射により分生子形成が促進され、アフラトキシン産生量が増加した。本条件の回避により、アフラトキシン産生を抑制できることが示された。発酵食品製造において品質に影響を及ぼす因子の解明にオミックス解析を適用し、味噌中の脂質(アシルグリセロール類及び遊離脂肪酸類)の種類や量、比率と、味噌の種類及び品質、醸造法との相関を調べた。うま味とこく味はモノオレイン酸グリセロール含量と負の相関があることがわかった。メタボロミクスを高品質味噌開発のためのマーカー抽出に応用できることを示唆した。特色あるチーズ製品の開発を目指した乳酸菌の検討では、カロテノイド生産性乳酸菌は国産天然塩添加により、カロテノイド生産量が、GABA生産菌株Lactococcus lactis 01-7では塩化マグネシウムの添加によりGABA生産量が増加する傾向を認めた。パン生地では発酵において酵母量を2倍にすると、パンの風味やおいしさに関連する有機酸の一種であるコハク酸量が増加すること、解糖系で生成するメチルグリオキサールは酵母に糖化ストレスを与えるが、高濃度グルコース耐性の出芽酵母はこの糖化ストレスにも高い耐性を有することを明らかにした。有用酵素を生産する微生物の探索の結果、環状イソマルトオリゴ糖(CI)・メガロ糖にグルコース分岐鎖を効率よく導入するグルカンスクラーゼを生産するLeuconostoc 属菌を単離した。更に、環状イソマルトオリゴ糖・メガロ糖を合成する酵素CITaseの生産性が上昇した変異株を取得し、遺伝子組換え酵素を用いなくても10 kgのアンカー型イソマルトオリゴ糖の生産が可能になった。水溶性の低い機能性成分の溶解性の向上に寄与する素材として期待される。輸出や長期貯蔵が可能な高品質果実の開発に向けて、トマトの着色と形状維持に関わる遺伝子に着目した。ゲノム編集によりオレンジ色にしか着色しないが極めて高い日持ち性を示す変異体のトマトを作製し、更に赤色色素のリコペンの代謝酵素に変異を導入した。その結果、親株と同等以上の赤さを示すトマトを得て、リコペンの代謝酵素がトマト果実の着色に関わっていることを明らかにした。果実を低温で低速せん断することにより、生果に近い品質のピューレが得られ、これを交流高電界処理することにより、保存性の高い無添加ピューレを製造することが可能となった。液状食品の膜分離における各種ナノろ過膜の分離性能の整理では、未精製オリゴ糖液をモデル溶液とし、3糖以上のフラクトオリゴ糖を分離・精製するNF膜を選定し、操作条件が分離性能に及ぼす影響を明らかにした。食品に含まれる巨大分子の評価のため、粘性糖タンパク質であるサケ軟骨プロテオグリカンを用いて分散系モデルを作製し、動的光散乱測定により溶液中の平均粒子径を明らかにできることを示した。また、イオン交換クロマトグラフィー溶液X線散乱法により、一般的なタンパク質の溶液中でのサイズと分子量評価が可能であることを明らかにし、タンパク質系素材の溶存状態に関する基礎的知見を得た。このほか、果実成熟機構のモデル植物であるトマトの果実成熟機構を再評価して新たな制御機構を提示するとともに、食中毒発生を受けて 短波帯加熱による生野菜の食感を維持したポテトサラダの迅速・均一加熱殺菌法を緊急開発した。
協力分担関係企業25社(のべ数)
公設試験研究機関5機関(のべ数)
大学26機関(のべ数)
国立研究開発法人2機関(のべ数)
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030244521
収録データベース研究課題データベース

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