メタン発酵消化液の作物栽培への利用

メタン発酵消化液の作物栽培への利用

県名宮城県
研究機関名宮城県古川農業試験場
課題種別試験研究課題
研究期間継H28~30
年度2017
概要目的:県内に食品廃棄物等を原料とするメタン発酵施設(仙台市泉区)が稼働しているが,そこで副産物として発生する消化液については,現在,凝集剤を用いた処理により汚泥と処理水に分離後,処理水は放水している状況にあり,農地へ利用されていない現状にある。このことから,消化液の肥料としての水稲などに対する有効性を確認するとともに,効果的な施用方法を検討する。特に水稲については,米価低迷から低コストが求められており,未利用資源の活用により,コスト削減及び省力化等に資する取組として実証する。
 本年は,メタン発酵消化液の成分変動解析および使用方法・量について,また,メタン発酵消化液を追肥で用いた場合の水稲生育,収量品質へ及ぼす影響を検証する。
成果:1)メタン発酵消化液の成分変動解析および使用方法・量の検討
 メタン発酵消化液の散布時全窒素濃度は3961~3968mg-N/L程度であり,施肥全窒素量は幼穂形成期と減数分裂期のそれぞれの時期に2kgN/10aとなり,アンモニア態窒素は1.5kgN/10aとなった。 幼穂形成期の流入施肥時につまりがみられ,つまりを解消するため流量を多くしたため,単位時間当たりの流入量は多くなり,施肥むらが顕著になった。
 減数分裂期には液層と沈殿物を分けて施用したところ,動ふんで散布した化成肥料と同等以上に均一に散布することができた。
 メタン発酵消化液の室内培養試験の結果,4週間の培養では沈殿物の増加は見られなかった。このため,一度沈殿物を除去できれば,そのあと,常温で保存しても,沈殿物の生成は起こらないと推察した。また,保存時には沈殿物の窒素が無機化し減少するが,液層の濃度は減少していないことが分かった。また,沈殿物を土壌と混和し培養することで,沈殿物の窒素が添加量の13.8%無機化することが分かった。
2)メタン発酵消化液による水稲生育への効果検証
 メタン発酵消化液を水口流入追肥した場合の水稲生育に及ぼす影響は,追肥ムラが生じた場合に成熟期まで窒素吸収量がばらつき,m2当たり籾数のばらつきが大きくなることが示された。しかし,精玄米重のばらつきは処理区間で差が無く,追肥ムラの影響は小さかった。
 一方で,消化液区において追肥のアンモニア態窒素施用量が対照区より多かったことで,m2当たり籾数が対照区より多く適正籾数以上になったことや玄米タンパクが高くなったことに影響したと考えられた。また,玄米タンパクが対照区より高くなったことについては,生育後半に沈殿物由来の窒素供給も関係している可能性がある。よって,メタン発酵消化液を追肥する際は,消化液の窒素濃度や沈殿物の量によって施用量の調整が必要と考えられた。
研究分担土壌肥料部
予算区分県単
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030245858
収録データベース研究課題データベース

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