(2)次世代水産業及び他分野技術の水産業への応用のための研究開発

(2)次世代水産業及び他分野技術の水産業への応用のための研究開発

課題番号2018030533
研究機関名水産総合研究センター
研究期間2016-2020
年度2018
研究問題海洋・生態系モニタリングと次世代水産業のための基盤研究
大課題海洋・生態系モニタリングと次世代水産業のための基盤研究
中課題(2)次世代水産業及び他分野技術の水産業への応用のための研究開発
大項目第1 研究開発の成果の最大化その他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置
中項目2.研究開発業務
摘要・オーミクス情報のデータベースの管理・利用方針を作成し、データ閲覧・ダウンロードが可能なインターフェースを構築した。また、一部のオーミクスデータを格納し、機構内部での試験運用を開始した。
・育種に関しては、(1)配布用クロマグロDNA多型情報データベースを完成し、(2)ニホンウナギの大規模交配家系の遺伝解析により仔魚期間が遺伝することを明らかにするとともに、15,917のSNP座についてジェノタイピングデータを得て、変態開始時日齢に関するゲノムワイド相関解析及びゲノム育種価の推定を行い、(3)アコヤガイについて真珠のRGB画像を用いた品質推定アルゴリズムを開発した。その他、ブリ全予測遺伝子配列情報の公表、スジアラドラフトゲノム配列の構築、天然ウナギ仔魚の餌料構成要素リスト化などの成果をあげている。環境診断に関しては、(1)統合オーミクス技術で基礎生産者である珪藻の活性診断技術を開発し、(2)クロマグロ養殖場に調査定点を設け、メタゲノム解析(真核・原核生物)の時系列モニタリングを実施した。赤潮動態予測マーカーの探索に関しては、有害赤潮藻カレニアの光ストレス応答遺伝子を特定した。環境修復に関しては、野外水槽内で竹炭を底質に埋設したところ電位低下が対象区に比べ小さくなるなど(環境負荷が小さい)有効性が立証され、野外での自立式電位測定装置を開発した。合わせて、基礎となる情報等の収集や予備試験を実施し、底生動物の抽出液やセルラーゼ(市販)を添加することで、有害・有毒プランクトンシストの発芽数が減少した。
・岩手県船越湾においては、温暖化による沿岸域の水温・栄養塩環境変化がワカメの生育に与える影響の評価を開始した。また、将来の温暖化の生態系影響評価に資する情報の取得を目的として、宮城県長浦湾における過去の長期的な気候変動と動植物プランクトンの変遷に関する堆積物情報を取得した。日本周辺海域の海洋表層二酸化炭素濃度(pCO2)と表層栄養塩濃度のモニタリングを行い、国際データベースを通じて取得データを公表すると共に、取得データを用いた海洋CO2吸収量の高精度算定結果と栄養塩の経年変動に関する解析結果をそれぞれ論文・国際シンポジウム等により公表した。また、海洋中層における酸性化の進行状況と、それに対応した中層浮遊性有孔虫の分布および殻厚の変化に関する調査結果をとりまとめ、刊行図書として公表した。岩礁生態系の酸性化応答に関する5年間におよぶ飼育実験の結果をとりまとめ、国際学会を含む複数の学会報告として公表した。急潮について、リアルタイム急潮予測システムで採用している「急潮指数」を日本沿岸の潮流近未来予測モデル出力結果に適用し、将来における急潮現象の頻度・継続時間等の増減傾向の評価を行った。
・「匠の技」については、ワムシ培養やタイラギの飼育、珪藻培養について、熟練者による作業のデジタルアーカイブ化を進めた。要所やコツを肉声で説明してもらい動画と共に記録し、鍵となる技術について調査協力者と確認し、整理した。また、航海シミュレータを使って、漁船操船技術のデジタル計測を実施した。
・担い手問題については、定量的に分析するための調査を実施した。6次産業化による問題解決のため、フィールド調査や既存報告のメタ解析を行った。高鮮度高付加価値商品は水揚げから消費までの時間が価値を決定するため、地場で消費できる6次産業化の事例が多いことを明らかにした。また、低・未利用魚介類に付加価値を付けて6次産業化する事例も多く、これは地域内の既存ステークホルダーとの軋轢を回避するためと推察された。
水産業就業者不足に対する直接的な解決策として高齢化対策と女性の就業を促進するため、北海道と協力して研究を実施し、道庁職員の研修で情報提供を行った。
・水素燃料電池養殖作業船については、離島で使用中の養殖作業船の性能を模型試験等で評価した上で、複数の一般配置案を地元漁業者に提示し、出された意見を参考にして試設計案を作成した。
・調査船たか丸を沿岸漁船に見たてたビッグデータ運用実験を通年実施し、活用に必要な技術的課題を整理、解決すると共に、ウェザールーティングによる「安全かつ最短時間」航路の沿岸漁船への有用性を確認した。
・ブリのドラフトゲノム作成と遺伝子予測を行い、これらの塩基配列と予測遺伝子を論文として公表するとともに、中央水産研究所のホームページで公開した。
・天然ウナギ仔魚餌料の構成要素物質のリスト化や、餌料要素と考えられる微生物の単離培養の成功、餌料環境の理解など、ニホンウナギ仔魚の種苗育成技術開発に資する知見・資料などの蓄積が着実に進んでいる。
・三陸沿岸の栄養塩供給モデルを使用したワカメ養殖場における栄養塩濃度の50日間予報の公表を開始したことは、ワカメ養殖の芽落ちの回避に役立っている。
・海洋のCO2収集量算定結果については、2019年度に刊行予定のIPCCの海洋・雪氷圏に関する特別レポートに引用されているほか、環境省気候変動小委員会「日本の気候変動とその影響」等の広範な分野で行政的に利用されている。
・冨山湾における急潮発生機構が解明されたことにより、同湾における急潮予測の精度が向上した。
・飼育技術のビデオ画像は、技術講習会資料として使われ始めている。
協力分担関係(国研)理化学研究所
(国研)海洋研究開発機構
筑波大学
東京大学
東京海洋大学
早稲田大学
岩手県水産技術センター
宮城県水産技術総合センター
福島県
マルハニチロ株式会社
パーマリンクhttps://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3030252495
収録データベース研究課題データベース

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