誰のための支援か?

レコードナンバー
926820
論文タイプ
学術雑誌論文
ALIS書誌ID
ZZ00013525
NACSIS書誌ID
AN10358482
論文サブタイトル
ケニアにおける地域性と農業技術支援の事例から
論文タイトル(英)
Who needs support?
論文サブタイトル(英)
A case study of agricultural technical support in Kenya
本文言語
ja
著者名
山根 裕子
誌名
開発学研究
別誌名
Journal of agricultural development studies ; 日本国際地域開発学会開発学研究
発行元
日本国際地域開発学会
巻号ページ
29巻・3号,p.2-13(2019-03)
ISSN
09189432
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抄録
現行の農業技術支援は専門家が開発あるいは考案した技術や支援を農民へ指導あるいは普及するという演繹的な流れで行われている。本稿では途上国への農業技術支援の構造が抱える本質的な問題点を,アフリカの稲作支援の事例を基に,プロジェクトの目的や内容と実際のアフリカの稲作の実態とのずれから整理し,考察を試みた。本研究の対象地ケニア西部ビクトリア湖岸のアウトグローワーと呼ばれる稲作地域ではイネの生産性が低く,世帯の稲作経営の状態も悪かった。これは水利組織が適切な水利を行えていないことなど生産の基盤が整っていないこと,また,高い賃労費が稲作経営を圧迫していることなどが原因となっていた。ケニアの稲作支援でもコメ増産や営農改善に向けた手段の開発と普及が行われていた。しかし,賃労費は家畜販売で捻出されていること,賃労働者は同じ稲作地域に居住している人が従事しており,地域の人々の現金収入になっていることや,稲作地域はルオの父系拡大家族の集まりから成り,水利組織はその氏族メンバーからなることなど,稲作は地域を形成する様々な社会文化的要素の有機的なつながりの中で成り立っている。世帯を単位とした営農改善の改善策の普及推進は地域にとって何を意味するのか,技術支援が社会変化を引き起こす可能性があることを考慮すると,支援の対象となる地域社会の実態に配慮したきめの細かい支援内容の考案と実行及び地域の変化に合わせた対応が本来は支援に必要であると考えられた。
引用文献数
18
登録日
2019年7月10日
収録データベース
JASI ; AGROLib